ドリログ
ドリンクブログ、略してドリログ!! ここでは緑茶から紅茶、コーヒー、お酒、カクテルまで画像付きで紹介していきます。
「本のお茶」 川口葉子他著 (角川書店)
ちょっと久し振りの更新です。
新しいカテゴリを一つ増やしてみました。書籍に関するコーナーです。
私が持っている、あるいは読んだことのあるお茶に関連した本を紹介していきます。
私の場合、本と言ったらどうしても茶道に関するものが多くなってしまいますが、それはご了承ください。
記念すべき第一回はこの本でいこうかな。
さっそく茶道の本です。タイトルは「本のお茶」。サブタイトルは”カフェスタイル・岡倉天心『茶の本』”です。
って言っても、第一回からこの本にしたのは、ちょっと順番を間違えたかもしれないです。というのも、この本はかなりの前置き的説明が必要となりますので。ちょっとお付き合いください。
約100年前、明治時代の美術家(ないし美術史家、美術収集家etc)、岡倉天心という人が「THE BOOK OF TEA」という本を書きました。
岡倉天心は生まれも裕福でエリートコースの生涯。自身が美術家というよりは美術の発展に寄与し、多くの有名画家を育てたと言うことの方が有名です。現在の東京芸大のもとになる東京美術学校を作った人でもあります。40歳過ぎの頃、ボストン美術館の東洋美術部に迎えられて西洋人と交流が増えます。
そんな中で、欧米人に日本の文化を理解してもらうために彼は多くの日本文化に関する本を書きます。その一つが、「THE BOOK OF TEA」です。だから原文は英語です。そしてこの本は、昔から今までずっと茶道の教科書的な存在として世界各国で読まれているのです。と同時に、内容が秀作であったため日本語にも数多く訳され、今でも多くの日本人が読んでいるわけです。
以上が「茶の本」の説明です。
話を「本のお茶」に戻します。この本は、もっと多くの人に読んでもらえるよう、手に取りやすい工夫を試みた作品です。茶の本の文章を大胆に抜粋、意訳して、多くの写真を挿入して、ところどころにコラムを挟んでいます。カフェに置いてありそうなオシャレな本を目指した、だからカフェスタイルなわけです。
説明が長くなりましたが、この本の意図は理解していただけたでしょうか。
「THE BOOK OF TEA」はTEAという語を冠していますが、実際はお茶を媒体に日本の、東洋のタオイズム(=道の精神)を説明したものでした。ですから、道教や禅の考え方がたくさん出てきます。
翻訳を読んだことが無いので、どの程度この「本のお茶」が意訳を試みているのかは分かりませんが、全体的に文章は長い長い詩を読んでいるように淡々と進み、しかして内容は深遠な茶の宇宙を感じさせる壮大なものです。まさしく中国のダイナミズムと日本の静謐をあわせたような雰囲気です。
「本のお茶」にかなりの量に渡って挿し込まれている写真は藤田一咲氏によるもので、お茶の風景や東洋の自然を写したものばかり。素朴でソフトなタッチですが、そこはかとなく込められたエキゾチックさが魅力です。いかにもカフェ本となりえています。
総括的に見てこの本は、大前提である「THE BOOK OF TEA」の存在を知らない人が読んでも、頭の中が「???」になるでしょう。ですがむしろそれが良いのかもしれません。何も知らない空っぽの頭で読んでこそ、「本のお茶」に封じ込められたエキスを感じることが出来そうな気もします。
確かにカフェに置いてあったら、とても雰囲気に沿っているし理解の難しい哲学的なタオイズムもまた美しいものとして捉えやすくなると思います。
ぜひ一度、ムツカシイ本もこういう一冊から気軽に手にとってみては?
余談ですが、原文は90ページ程度と割とあっさりしたものです。
以前、英語の教材として売られていた「THE BOOK OF TEA」を買って読もうとしましたが、易しい英語に変えてあるにもかかわらず、2ページ目で断念。英語は苦手です。
新しいカテゴリを一つ増やしてみました。書籍に関するコーナーです。
私が持っている、あるいは読んだことのあるお茶に関連した本を紹介していきます。
私の場合、本と言ったらどうしても茶道に関するものが多くなってしまいますが、それはご了承ください。
記念すべき第一回はこの本でいこうかな。
さっそく茶道の本です。タイトルは「本のお茶」。サブタイトルは”カフェスタイル・岡倉天心『茶の本』”です。
って言っても、第一回からこの本にしたのは、ちょっと順番を間違えたかもしれないです。というのも、この本はかなりの前置き的説明が必要となりますので。ちょっとお付き合いください。
約100年前、明治時代の美術家(ないし美術史家、美術収集家etc)、岡倉天心という人が「THE BOOK OF TEA」という本を書きました。
岡倉天心は生まれも裕福でエリートコースの生涯。自身が美術家というよりは美術の発展に寄与し、多くの有名画家を育てたと言うことの方が有名です。現在の東京芸大のもとになる東京美術学校を作った人でもあります。40歳過ぎの頃、ボストン美術館の東洋美術部に迎えられて西洋人と交流が増えます。
そんな中で、欧米人に日本の文化を理解してもらうために彼は多くの日本文化に関する本を書きます。その一つが、「THE BOOK OF TEA」です。だから原文は英語です。そしてこの本は、昔から今までずっと茶道の教科書的な存在として世界各国で読まれているのです。と同時に、内容が秀作であったため日本語にも数多く訳され、今でも多くの日本人が読んでいるわけです。
以上が「茶の本」の説明です。
話を「本のお茶」に戻します。この本は、もっと多くの人に読んでもらえるよう、手に取りやすい工夫を試みた作品です。茶の本の文章を大胆に抜粋、意訳して、多くの写真を挿入して、ところどころにコラムを挟んでいます。カフェに置いてありそうなオシャレな本を目指した、だからカフェスタイルなわけです。
説明が長くなりましたが、この本の意図は理解していただけたでしょうか。
「THE BOOK OF TEA」はTEAという語を冠していますが、実際はお茶を媒体に日本の、東洋のタオイズム(=道の精神)を説明したものでした。ですから、道教や禅の考え方がたくさん出てきます。
翻訳を読んだことが無いので、どの程度この「本のお茶」が意訳を試みているのかは分かりませんが、全体的に文章は長い長い詩を読んでいるように淡々と進み、しかして内容は深遠な茶の宇宙を感じさせる壮大なものです。まさしく中国のダイナミズムと日本の静謐をあわせたような雰囲気です。
「本のお茶」にかなりの量に渡って挿し込まれている写真は藤田一咲氏によるもので、お茶の風景や東洋の自然を写したものばかり。素朴でソフトなタッチですが、そこはかとなく込められたエキゾチックさが魅力です。いかにもカフェ本となりえています。
総括的に見てこの本は、大前提である「THE BOOK OF TEA」の存在を知らない人が読んでも、頭の中が「???」になるでしょう。ですがむしろそれが良いのかもしれません。何も知らない空っぽの頭で読んでこそ、「本のお茶」に封じ込められたエキスを感じることが出来そうな気もします。
確かにカフェに置いてあったら、とても雰囲気に沿っているし理解の難しい哲学的なタオイズムもまた美しいものとして捉えやすくなると思います。
ぜひ一度、ムツカシイ本もこういう一冊から気軽に手にとってみては?
余談ですが、原文は90ページ程度と割とあっさりしたものです。
以前、英語の教材として売られていた「THE BOOK OF TEA」を買って読もうとしましたが、易しい英語に変えてあるにもかかわらず、2ページ目で断念。英語は苦手です。
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