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ドリログ

ドリンクブログ、略してドリログ!!   ここでは緑茶から紅茶、コーヒー、お酒、カクテルまで画像付きで紹介していきます。

中国茶の話

最近、上海シリーズなどあり中国茶の話題が多いので、今さらですが中国茶の解説でもしようかと。
とは言えど、私も中国茶はそんなに勉強してないので基本的な知識だけ。

まず中国と言えば、そうお茶の発祥の地であります。茶は中国雲南省あたりが原産と言われているからです。そんなお茶の故郷には数多くのバリエーションのお茶があります。

解説に入る前に、一言。お茶は広義のお茶と狭義とお茶があります。狭義のお茶は「茶の木」すなわちカメリア・シネンシスという樹木の葉から作ったもの。そして広義のお茶にはその他多くの植物を煎じて飲んだものがあります。

まずは狭義のお茶から。
中国には六台茶類、いわゆる中国六茶があります。これらはお茶の発酵の度合いで分類されています。発酵が進むに連れて水色と味が濃くなります。分類は分かりやすいように茶葉の色で表しています。

まず緑茶(リュウチャ)。
これは日本と同じ緑茶で、茶葉を加熱して発酵を人工的に止めたもの。でも加熱が日本の蒸す方法に対して中国は炒るという方法を用いるので、日本の緑茶に比べて香ばしいものになります。茶葉は薄い緑。意外かも知れませんが、中国で最も飲まれているのはこの緑茶。全体の6~7割を占めるそうです。

次に白茶(バイチャ)。
若葉や芽を摘んで、僅かに発酵させたあと、乾燥させたもの。発酵がゆっくり進む段階で白く細かい産毛に覆われた茶葉ができるので白茶と呼ばれます。ほのかに甘い香りがするんだとか。あまり手に入らない高級品。ちなみに茶葉の部位を表すペコーという名前がありますが、これは白茶の代表種「白毫銀針」の白毫(ベイゴー)がなまってペコーになったものです。

さらに黄茶(ファンチャ)。
乾燥させ乾燥させ最後に高温多湿の状況で発酵させるという手間のかかる製造方法。最後の発酵工程は「悶黄」と呼ばれます。白茶よりも若干発酵が進んでます。年に数百キロしか生産されないらしく、最も高級品で滅多にお目にかかれません。茶葉と水色が薄い黄色。ふくよかで上品な味がするとか何とか。飲んでみたいです。

そして青茶(チンチャ)。
萎凋して半分程度発酵させたお茶。半発酵茶とも呼ばれます。半分と言っても2~8割と種類によって発酵度合いにかなり幅があります。烏龍茶や岩茶などは青茶に含まれます。日本人の言う中国茶は青茶のイメージでしょうか。茶葉は緑茶に比べると濃い緑です。烏龍茶は茶葉が「烏のように黒く龍のように曲がりくねっている」からそういう名前がつけられたとか何とか。確かに茶葉はころんと丸まっています。

まだあります。紅茶(ホンチャ)。
これは言わずと知れた英国Teaのルーツ。完全発酵させたもので茶葉も水色も紅いです。中国紅茶はタンニンが少ないらしく(茶樹がちがうためでしょう)、あっさりした味が多いです。独特のスモーキーフレーバーを持つものが多く、実際に燻すものもあります。

最後にいく前にちょっと解説。お茶の世界では便宜的に「発酵」と言う言葉を使いますが、正しくは「酸化」です。茶葉の変化の過程に細菌類が使われていないからです。これは勘違いをしている人が多いので注意しましょう。

そして最後に黒茶(ヘイチャ)。
これは唯一、菌によって発酵させる工程を含むお茶です。酸化させた後にコウジカビを使って後発酵と呼ばれる発酵を行います。そのため特有の熟成が進み、年月が減るほどにビンテージとして価値が高まります。後発酵があるために味や香りは独特の木や薬を感じさせるものに。ダイエット効果等あり、健康に良いと注目されています。

六大茶には含まれませんが、花茶(フアチャ)というものもあります。花の香りをつけたり花と一緒に入れたりした、中国版フレーバードティーのことです。代表的なものは茉莉花茶(ジャスミンティー)ですね。茶葉を丸く束ねて、それこそ水に浮いたときに花のようにも見える牡丹茶なども有名です。※牡丹のように見えるだけで牡丹は入っていません。ジャスミンティーに紅い花が入っているものもありますが、あれは多くは百日紅です。

だいぶ長くなりましたが、狭義の中国茶はこんな感じ。それぞれに銘茶があります。


広義のお茶は、いわゆる健康茶ですが、これはもう非常に種類が多くバリエーションに富んでいます。
もともと中国は「足の4本あるもので食べないのはテーブルと椅子だけだ」という言葉があるように、食べれるものは何でも食べると言う食文化の持ち主。茶の木も食べれるかもと思って口にし始めたのでしょうが、その他ありとあらゆる植物をお飲みになります。先日ご紹介した杜中茶もそうだし、麦茶やルイボスティーもその一種ですね。
それぞれに健康に効果があるのでいろいろ試してみたいものです。


最後に茶芸の話を。

もともと中国には日本の「点前」のようなものはありません。飲み方や茶器の種類は多いですが、特に固定したものが無いからです。いつも下克上だった中国史上では新しいものが生まれると古いものが切り捨てられるの風習が根付いたので伝統の作法などが残りくいからです。しかも美味しく飲めればいいという雰囲気もあります。
ですが、茶を芸術的に楽しく美味しく飲むための「茶芸」は数多くあります。カンフーとあわせたようなアクロバットな茶芸もテレビで見たことがあります。やってみたいことをやる!それが中国です。
最も有名な茶芸は「工夫茶(クンプーチャ)」でしょうか。烏龍茶を淹れるのに用いられるスタイルです。これは日本の茶道や煎茶道をもとに近年作られたものとのこと。ですが、日本の茶道はもともと中国で習ったお茶のいれかたを独自に進化させてきたもの。昔から中国はいつも生み出す国で、日本はいつも改良する国だったのですね。
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