ドリログ
ドリンクブログ、略してドリログ!! ここでは緑茶から紅茶、コーヒー、お酒、カクテルまで画像付きで紹介していきます。
茶の木の話
だから、ハト麦茶もプーアール茶もカモミールティーも、厳密に言えば「茶」ではないのです。
茶の木とは
学名:カメリア・シネンシス
ツバキ科の常緑樹です。
原産は中国西南部広域。紀元前の頃からあったと言われています。
はじめに近くの少数民族が茶の葉を利用し始め、漢民族によって中国に広まりました。
茶は、国際規格によると「カメリア・シネンシスの二つの変種に限り、それらの葉・つぼみ(芽)・柔らかい茎を原料として製造されたもの」としています。
二つの変種とはアッサム種と中国種です。
アッサム種…味が濃厚で香り高いので紅茶向け。高木で放置すると10m以上の高さになる。
中国種…香りは控え目、アミノ酸を多く含むので旨味がある。緑茶生産地域に多く植えられている。低木で木の高さは1~2m程度。
茶の葉はすべて手摘みされます。とても繊細なものだからです。
だから本来は背の高い木を作業しやすくするために低く刈っているのです。
インドの大農園では一つの農園=一つの村だったりします。
普段なにげなく飲んでいるお茶ですが、調べてみると歴史や奥が深いですね。
煎茶の歴史
この間は、日本茶史初期編として抹茶の歴史をお話ししましたが(あれはかなり簡略化してます)、今回はその後に出てきた煎茶などの話です。
日本で栽培されるうちの実に8割が煎茶になります。
お店でもタダで飲めるお茶は煎茶ですね。
それだけ日本人は煎茶を飲んでいるのです。
日本茶の代表とも言えるのに、意外に何も知られていない。歴史も製法も正しい淹れ方さえも。
さらに言うならば、茶道の本はあっても煎茶に関する文献は少ないものです。
だからこそ、煎茶について今一度知る必要があると思うのです。
煎茶が入ってきたのは抹茶よりも400年あとの江戸初期。
正しくはわかっていませんが、隠元禅師によってと言われています。
明(中国)で新しく開発された製法の無発酵茶を芸術三昧の文人たちが愛して飲んでいたものです。
煎茶を世に広めたとして名高いのが高遊外という名の賣茶翁です。
僧であった彼は晩年、煎茶を売りながら禅を説いて回りました。
賣茶翁自体多くの文人と親交がありましたが、本来中国において煎茶は文化人に親しまれた自由な喫茶スタイル。
日本においても、抹茶に代表される格式ばった茶道に批判を持っている文人墨客に愛され急激に世に広まりました。
煎茶道というのは茶道に比べ代表的な流派がなく、小さな流派が多数混在している状態です。
歴史が新しい流派も珍しくありません。
また、煎茶というのは芸術家たちの自由な発想のもとで飲まれるもの。
多少のルールはあっても作法は基本的に特定されていません。
いつでもどこでも気軽に飲めるよう日々変化を遂げています。
各流派の家元も常に新しい点前を考えているようです。
流派によって驚くほど作法が違ったりします。
なお煎茶は現在、生産も消費も日本に限られています。
緑茶という中国茶は日本の煎茶と違って、蒸すのではなく釜炒りをしているから煎茶とは違います。
抹茶の歴史
再び日本に茶が紹介されたのは、鎌倉時代、栄西禅師によってです。
この頃のお茶は今の抹茶に近く、当初薬として登場したにも関わらず、各地に広まりました。
喫茶人口が増えると、それを目的に人が集まるようになります。そうしてだんだん茶の湯のしきたりが出来てきました。
ここで満を持して(笑)、千利休の登場です。日本茶の歴史は全て一度必ず利休に収束されると言っても過言ではないほどの人です。大げさに言うと利休は茶道スタイルを大成しました。今日ある茶道はこの頃からさほど変わっていません。
この後の歴史は複雑なので割愛しますが、千家子孫が抹茶茶道では親分的存在の千家となり、また時を下るとともに衰退を乗り越えながら有名茶人を排出して多数の流派が生まれることになりました。
本当に、端折って端折って書きましたが、詳しい歴史は、茶道研究家第一人者の熊倉功夫先生の本に非常に丁寧に著されています。
カクテルの歴史
つまりカクテルとはミクスドドリンクのことでその意味ではとても歴史が古く、狭義の意味ですら紀元前にまで逆上ります。
ですが、現在カクテルと呼ばれている多くのものはここ百年ちょっとで出来たもの。
1875年、世の中に製氷器が登場して以来、カクテルは飛躍的に成長しました。
そしてアメリカやイギリスの社交場で発展。
1920年代にアメリカで禁酒法が制定され有能なバーテンが国を去り、世界中に広まることとなったのです。
ちなみに日本で本格的に広まったのは大正の頃らしいです。
さらに最近になって、女性の飲酒が増加し瞬く間に世に浸透しました。
なお、カクテルは英語で書くとCocktailですが、言葉の語源は正確には分かっていません。いくつかの説あり、今も議論が交わされています。
本格とお手軽
本格抽出とお手軽抽出なのですが、ちょっと知っておくべきことがあります。
まず、紅茶。
紅茶はリーフだからティーバッグだからと言って、質が変わるわけではありません。
ティーバッグもルールに従ってきちんと淹れればリーフと同じです。
というのは、直接ポットに入れようがティーバッグに入っていようが茶葉は同じもの。確かにティーバッグの中に茶葉を入れてしまえば中は狭いのでポットほど茶葉のジャンピング(茶葉が湯の対流で上下すること)は望めませんが、抽出時間をきちんととればちゃんと紅茶の成分は出てきます。
ティーバッグは淹れるのも片づけるのも簡単で美味しくいただけるありがたい存在なのです。
反対にコーヒー。
コーヒーはインスタントの味がレギュラーに勝つことはきっとないでしょう。
というのは、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーでは使用している豆が違います。
レギュラーコーヒーは主にアラビカ種。
コーヒー特有の風味や香りを持っていて、つまり美味しいですが、病気に弱く栽培は大変。おかげで値段も高いです。抽出時間も長く必要。
インスタントコーヒーに使われているのはロブスタ種。
低地でも育ち病気に強いので、供給が安定で安価。また水に溶けやすいのでインスタントや缶コーヒーに向いています。
ですがこのロブスタ種。味は・・・。ストレートで飲むと泥臭いらしいです。
まぁ目的あってアラビカ種にブレンドすることはあっても、ドリップなどでこれだけを飲むことはないでしょう。
技術が進んだ現代はいろいろな飲み方がありますが、美味しくいただきたいならこういう知識も必要ですね。